商品検索と広告

ECサイトの 商品検索 は データフィード そのもの


広告の進化と商品リスト広告

広告の世界だと、ここ数年でGoogle PLAやFacebook DPAという、商品ベースの広告が登場して話題となっています。

単に商品単位で訴求をする広告というよりは、ECサイトにおける商品が外部媒体に表示されているという考え方です。

ECサイトの商品データを外部に流すので「フィード」と呼ばれたりもします。

今はもうほぼ見なくなってしまいましたが、RSSフィードのフィードと同じです。

RSSはニュースやブログの記事などを決まったフォーマットに載せて外部に配信する、RSSリーダーではフィードをあちこちから受け取ってそれを表示するというものでした。

記事を商品データにして、RSSリーダーをメディアやデバイスにしたというわけです。

ちょっとここで、広告の変化というか進化について考えてみます。
一番最初はいわゆるバナー広告でした。

その後アフィリエイト広告やリスティング広告、そしてリターゲティング広告などが登場しています。

ちなみに広告の進化について考える場合、「ユーザー情報」「媒体情報」「広告在庫」「配信方法」「課金」などさまざまな軸があり、それらを同列に並べてもあまり意味がありませんが、基本的に広告の進化というのは「粒度が細かい方に」向かっています。

広告の進化と軸

もちろんこれはテクノロジー、いわゆるアドテクの進化によるものです。

例えば成果に関しては表示→クリック→コンバージョンと、より最終成果に近い(アクション単価が高い)方に向かっていますが、これは成果を評価する粒度が細かくなっているといえます。

情報鮮度のギャップ

さて、ネット広告というのは主に、ユーザー、媒体、広告在庫という3つが出会って発生するものです。

粒度が細かくなるということは、これらに関する情報がよりフレッシュというかリアルタイムに、ダイナミックになっていくということです。

認知型の広告はともかく獲得型の広告に関して言えば、これは情報がダイナミックであることに越したことはありません。

例えばGoogleが急成長する要因となり、また今でも売上の大半を占めるリスティング広告ですが、なぜそれほどの収益を出せるかというと「ユーザーサイドの情報が限りなくリアルタイム」であるからです。

ユーザーが検索しているキーワード、これほどその瞬間のユーザーの興味をストレートに表す情報もありません。

まさにユーザーのリアルタイムのインサイト情報なのです。
ただ、以前は広告在庫自体はリアルタイムではありませんでした。

運用の努力によって限りなくリアルタイムに近づけることは可能ではありますが、ユーザーが検索するその時その瞬間の広告在庫というのは、あくまで過去の商品在庫情報なのです。

せっかくユーザー側の情報がダイナミックなのに、広告側の情報がスタティックなのは残念です。

そこで登場したのが、いわゆる商品リスト広告(PLA)というわけです。

商品検索と広告

一方ここでECサイトの検索について考えてみます。
ECサイトにおける商品検索は、基本的にその当初からダイナミックです。

もちろんショップの運営によって在庫情報がリアルタイムでないなどのケースはありえますが、これはECサイトの中がスタティックなのではなくてECサイトへ渡す情報がスタティックということになります。

またカートのパッケージに付属しているベーシックな検索機能はさておき、当社が提供するような検索エンジンというのは基本的に検索クエリに対して返却するデータは純粋な商品データそのものです。

検索エンジン自体がレンダリング情報まで含んだデータを返却することも無いとはいえませんが、一般的にはまさにRSSフィードにおける記事情報のような、純粋な商品データそのものを返却しています。

そして、以前も言及したようにECサイトにおいては「商品在庫 = 広告在庫」です。

ECサイトにおける商品検索は、そもそもがユーザー側の情報も商品(広告)在庫側の情報もダイナミックであり、またわざわざフィードという概念を持ち込むまでもなく、受け渡ししやすいフォーマットでデータを出力しているのですから、「ECサイトにおける商品検索というのはそもそもが データフィード 広告とほぼ同じ」であると言えるのです。

商品検索と広告

にも関わらず、いまだほとんどのECサイトでは検索結果というものを広告に活用しようという試みがほとんどありません。

それどころか、サイト外すなわちアドテク側から「ダイナミックに広告を出せますよ」とアプローチされてはじめて、しかも データフィード という新しいような概念を持ち込まれてはじめて、Google PLAやFacebook DPAのような試みを検討する、という状況です。

私が思うにこれには主に2つの要因があります。

1つは「検索というものはユーザーが入力した検索条件にマッチするものを表示する」という、検索を単なる道具として考えてマーケティングツールとして考えていないためです。

もう1つは「広告はマーケティング予算、検索エンジンは情報システム予算」という線引きがあることが多いためです。

ECサイトのマーケティングポイント

単なる道具として考えるという最初の理由とあいまって、検索エンジンの費用は売上を上げるための投資ではなくて単なるコストに見えるというケースがまだまだほとんどです。

それはそれでやむをえない部分もあり、またそうした考え方に対して検索というのは大きな伸びしろを秘めたマーケティングポイントであるという啓蒙をしていくことが当社の務めでもあると思っています。

ただ、「 データフィード 広告」という新しいキーワードが生まれ、Google PLAやFacebook DPAがこれだけ注目されて、ECサイトが「うちも取り組まなければ」という状況を見るにつけ、それは本来そもそも検索エンジンが担うべきだし担うことが出来たのですが、とは思います。

やはりいつでも、大きな変化は外からやってくるものです。

ECサイトの検索エンジンというのは、その成り立ちからして本来はダイナミックな商品毎の広告を検索結果として出力するためのものです。

もちろん、それに気付いていたとしても、外部の広告を掲載する媒体側にその出力の受け口がなければ駄目だったというのはそれはそれで事実です。

ところがいまや媒体側の準備は整いつつあるといえます。

ECサイトの検索エンジンを媒体の広告出稿に直結するべき時代はもうすぐそこまで来ています。

当社は検索結果こそがマーケティングである、という信念のもと高機能商品検索エンジン「ZERO ZONE SEARCH」を提供してきました。

またそれを広告に活用することを可能とするために、広告最適化エンジン「ZERO ZONE AD」を一年前から提供を開始しました。

ZERO ZONE ADの導入によって、ZERO ZONE SEARCHの商品データフィードをGoogle PLAやFacebook DPA、またアドネットワークに出力することが可能となります。

 

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【著者情報】
株式会社ゼロスタート
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
[ネットショップ担当者フォーラム]検索とレコメンドで実現するEC時代の接客術
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