機械学習

ECと ID-POS


今回は ID-POS について触れてみます。

企業のEC展開と ID-POS 比率

ゼロスタートのECソリューション「ZERO ZONE」は、製品戦略でハイエンドターゲットのため、価格は高いですがその分性能や機能は国内ではダントツです。

そのため、導入いただいている企業様はいわゆるナショナルクライアントといわれるような各ジャンルごとのリーディングカンパニーであることが多いです。

もちろんその中にはEC専業という企業様も多いですが、例えばイトーヨーカ堂様・ヤマダ電機様・ブックオフオンライン様・Francfranc様・TSUTAYA様・加茂商事様など、実際に店舗でのビジネスを大きく展開されていて、EC以上に流通額が高いケースがほとんどです。

ECの強みはユーザートラッキングがしやすいことです。

基本匿名では購入できないですし配送があるので、「誰が」買ったかはわかります。
一部ではプリペイドカードで購入するダウンロードコンテンツなどもありますが、これはまあ特殊なカテゴリであると言えます。

以前は店舗では「何を」買ったかはわからないことが多かったですが、 ID-POS の普及によりだんだんわかるようになってきています。

特に当社のクライアント企業様のような、規模が大きくかつEC展開もされている企業様は ID-POS 比率が相対的に高いと言えます。

ID-POS 活用の現状と可能性

ID-POS の普及率によっては、これはECと同じかそれ以上に大きな伸びしろがあると言えます。

ただ ID-POS はECにくらべてユーザーへのアプローチのチャンスが少ないというポイントがあります。

ECの場合には基本画面はすべてパーソナライズ可能ですし、カートに入れた画面や決済の画面でもオススメを提示することができます。

これに対して ID-POS の場合、陳列がパーソナライズされるということはないですし、またレジで例えば液晶画面でオススメ商品を出したとしても、そこから売り場に戻ってその商品を買う人は少ないでしょう。

強いて言うならばユーザーに直接商品を提案できる機会は、メールアドレスがとれていれば、メールやあとは携帯アプリによるクーポンなどでのアプローチくらいだと思います。

では ID-POS はECほどデータの活用しがいがないかというと、そんなことはないと思います。

まず ID-POS のデータ自体をECに活用するというのはもちろん、いわゆる商品DNAの分析や店舗DNAの分析は、お店にとってはかなりの宝の山であると私は考えています。

機械学習

現在のところ ID-POS で使われている手法やアプローチは、ECと比較すると表現は悪いですが地味なものが多いですが、であるからこそ将来そこには大きなチャンスがあるとも言えます。

ID-POS ソリューションというとテスコに対して提供しているダンハンビーが有名ですが、日本でもここから数年先で大きな流れが出てくるのではと思います。

当社はECにおいてはハイエンドのお客様をターゲットとしてきたため、企業規模という点においては ID-POS データの活用を検討する企業との親和性は高いということと、ECにおいてはずっとトップを走ってきた検索レコメンド効果測定ソリューションのノウハウを活用して、店舗における売上向上への貢献も行っていきたいと考えています。

ID-POS とディープラーニング

そこで期待しているのが、以前にも触れたディープラーニングです。

現在はまだまだ、画像認識程度でしか活用されていないため、コーディネートや来店者の顔検索といった、「画像を扱う」ジャンルでしか実用化されていませんが、画像を経由してディープラーニングを活用するのではその効果は限られています。

やはり本命は、膨大なデータを突っ込むことで特徴量を抽出する、旧来の呼び方でいえば主成分分析に近いところだと私は思います。

たとえば ID-POS に関する分析アプローチでいうと、本村陽一氏による行動履歴を活用したモデリングがおそらく現時点では一番良く知られているのではないかと思いますが、この事例では消費者や商品のカテゴライズを人間が考えています。

むしろこのアプローチのポイントは、考えたカテゴリ間の関係を分析するというものです。

分析

ディープラーニングだと、うまく特徴量を抽出できるような関数を発見できれば、そのカテゴライズ自体を分析というか自動処理させることができるようになります。

その上でファインチューニングとしてベイジアンネットワークを使うというのは、かなり興味深いアプローチになる可能性を秘めています。

ECにおける新しい流れ

ECにおいて培ってきたレコメンドやパーソナライズのノウハウ、ハイエンドターゲットという戦略によって大規模サイトを手がけてきたパフォーマンスの実績などを活用して、今後はECと ID-POS をよりシームレスに扱うというジャンルで世の中に貢献していきたいと思います。

ディープラーニングが活用できるかどうかはまだまだ未知数ではあります。

ただ2007年に当社が真っ先にベイズ理論をレコメンドエンジンに用いたときも、興味深いがどうなるかは未知数と言われたものでした。

O2O、ビッグデータ、オムニチャネルといろいろなバズワードがありましたが、ようやくこれらが一時的なブームではなく実際に消費者市場を活発化させるステージに入りつつあると思います。

当社もその中で、引き続き貢献していければと思います。

 

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【著者情報】
株式会社ゼロスタート
代表取締役社長 山崎 徳之

【連載紹介】
[Biz/Zine]テクノロジービジネスの幻想とリアル
[ECZine]人工知能×ECことはじめ
[ECのミカタ]ECの役割
[ネットショップ担当者フォーラム]検索とレコメンドで実現するEC時代の接客術
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